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<<日本行動計量学会第30回大会>>

日時:9月19日(木)13:00〜17:30

場所: 多摩大学 Room C(211教室)

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特別セッション「好みの計量<1>」

コーディネーター:芳賀麻誉美(女子栄養大学)

座長(司会):朝野煕彦(都立大学) 指定討論者:守口剛(立教大学)

時間:13:00〜15:00(120分枠)

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著者名:豊田 裕貴

所属:法政大学大学院 社会科学研究科経営学専攻

演題「自由連想データによるブランド・イメージ分析〜Point of Parity およびPoint of

Difference の測定〜」

 

本研究は、自由連想データによるブランド・イメージ研究の一つとして、Keller の

Pointof Parity/Difference (類似化ポイントおよび差別化ポイント)の測定を試みる。

そのために、情報検索理論の成果を元に、自由連想調査でのPINS 測定の利点を

応用する。そして、連想イメージとブランド間との距離の視点に、ブランドに対する

イメージの価値を加味した形での測定方法を構築した。この測定によって、ブランド・

マネジメントへの分析的な視点と共に、実務での利用の基本となる視点を提供する

のが目的となる。

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著者名:小代 禎彦*   小島 隆矢**  若林 直子***

所属:*東陶機器株式会社 **独立行政法人 建築研究所 ***特定非営利活動法人 生活環境NPOあくと

演題:「レストルームのデザインに関する調査データの分析」

 

 商品および商品を形容する言葉を布置した図を得るポジショニング分析のため

には、通常、様々な商品を様々な言葉で評価させる調査が行われるが、商品×

言葉の数だけ判断を求めることになり、回答者の負担が大きい。このため、「好き」

「嫌い」と思う商品についてのみ、該当する形容語を選択肢から選ぶという、

回答者の負担の少ない調査を試みた。選択肢では、選好度分析のため評価グリッド

方を参考に、「好き」「嫌い」な対象について、どこが好き(嫌い)か、それはどんな

イメージか、という形式で回答させた。対象を評価する言葉と選好度を関連づけて

分析することで、商品デザイン戦略立案のための知見を得た。

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著者名:町田 明子,林 俊克

所属:(株)資生堂

演題:「ネット上書き込み情報のテキストマイニング」

 

演者らは、テキストマイニングシステムDIONISOS(形態素解析により構文解析、

タプル単位で肯定・否定・希望表現、論理的関係性等を抽出、係り受け・論理的関係

情報をリンク分析することでテキスト情報を連関図に可視化する)を独自に開発した。

DIONISOSのテキストマイニング能力の検証をネット上書き込み情報を用いて行った

結果、既存の方法と遜色なく正確に抽出できることが検証された。

DIONISOSは、客観的・定量的かつ短時間で内容の要点を抽出することができること

より、テキストマイニングツールとして有効なものであると考えられた。

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著者名:芳賀 麻誉美

所属:女子栄養大学 食情報科学研究室

演題「構造方程式モデリングによる顧客ベース・ブランド・エクイティの測定(1)」

 

本研究では,従来,購入意向やトライアルへの効果のみで語られてきた「ブランド」や

「価格」の製品使用時の品質機能評価への影響と使用後の購買意向への影響を,

「顧客ベース・ブランド・エクイティ」の考え方に沿って測定,構造方程式モデリングを

用いて定量化を試みた.具体的には,コモディティ製品と言われながらブランディング

に成功している製品群であるアイスクリーム市販品10品を取り上げ,「製品名」と

「価格」の効果を定量化した.定量化のために構造方程式モデリングを用いることで,

安定に,かつ複雑な構造・効果を記述検討でき,事象への理解が進み,今後,

ブランド機能をより詳細に検討する必要性が見出された.

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特別セッション「好みの計量<2>」

コーディネーター:芳賀麻誉美(女子栄養大学)

座長(司会):鈴木督久(日経リサーチ) 指定討論者:狩野裕(大阪大学)

時間:15:30〜17:30(120分枠)

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著者名:芳賀 麻誉美

所属:女子栄養大学 食情報科学研究室

演題:「構造方程式モデリングによる顧客ベース・ブランド・エクイティの測定(2)」

 

バニラカップアイスの顧客ベース・ブランド・エクイティを測定するために行った

2002年夏季に女子大生128名を対象に実施した混合計画による実験的調査データ

を用いて,構造方程式モデリングによる多相実験データの解析を行った.

発表では一般的な加法モデルを変形し,実験要因を組み込んだ上で平均構造を

記述したモデルとその結果を紹介し,解釈上の有用性を示したが,

多様な表現バリエーションが考えられる多相実験データに対して構造方程式

モデリングを適用することは,探索的モデル検討,事象理解の上で有力な手段で

あった.

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著者名:廣野 元久*芳賀 麻誉美**

所属:*(株)リコー・CSM 本部信頼性技術室 慶応大学総合政策学部非常勤講師

**女子栄養大学 食情報科学研究室

演題名「個食タイプアイス・アンケート調査への対数線形グラフィカルモデリングの適用」

 

真柳・古我は97 年に実施した低価格個食タイプアイスのパッケージ調査から「イメ

ージ」と「食シーン」別のポジショニング・マップを提案している.本研究では,その構造

に基づき,「食シーン」をオケージョン,「イメージ」を商品が持つ属性と捉え,商品ごとに

「イメージ」と「食シーン」の因果構造を明らかに?オケージョン固有の属性効果の抽出

することを目的に,対数線形グラフィカルモデリングにより分析した.その結果,不足した

水分や甘さを補給したいという補給効果やその場をよりリラックスさせる触媒的な

効果を抽出することができた.

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著者名:仁科 健

所属:名古屋工業大学 生産システム工学科

演題:「対象空間を共有しない場合の個人差多次元尺度構成」

 

2相3元データの解析モデルであるCarroll & ChangのINDSCALモデルでは,

個人差が共通対象空間の各次元への重みの違いによって表現される.

これに対して本研究では,共有する対象空間がない場合を想定する.

例えば,ある グループは2次元の空間を構成し,別のグループは第2次元が

不明瞭な場合などである.このような場合に対処する解析手段として,

被験者グループを,共通対象空間をもつグループに前もって分類しておく方法を

提案したい.具体的には,被験者間の対象空間の距離を計量し,それを

親近性データとしてクラスタリングする方法である.

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著者名:小島 隆矢(こじま たかや)

所属:独立行政法人建築研究所

演題名:「構造方程式モデリングによる3相データの分析法に関する研究」

 

 本報では、景観を評価したデータ(評価者16名×評価対象99地点×

評価項目23尺度)を用いて,構造方程式モデリングによる3相3元データの

分析を試みた。具体的には、対象ごとに平均値をとった変数と、もとの変数を

同時に用いてモデルを作成し、評価者をグループ変数とした多母集団同時解析など

を実施した。得られたモデルは、部分評価を原因として総合的な好ましさが決まる

という関係と、気に入った対象に対しては、どんな項目の評価も甘くなりがちで

あるという、総合評価から部分評価へのバイアス的な因果関係の両者を含むもの

となった。

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